ユーグリッド幾何学
エジプトとバビロニアにはじまった数学は、ギリシャヘ渡って非常な進歩を示しました。特に幾何学はターレス、ピタゴラス、ソフィスト達、プラトン学派などによって熱心に研究されましたが、ユーグリッドは、これらの成果をまとめて、原本と言われる13巻から成る書物を書きました。この書物でユークリッドは、彼の幾何学を展開するための基礎として10個の課程をおきましたが、そのうちの次ぎの仮定は有名です。
平面上に一つの直線lとその上にない一つの点Pとが与えられた場合、この平面上で、点Pを通って直線lと交わらない直線、すなわち平行線は、一本だけ引ける。したがって、この仮定に基づいて理論を展開していく幾何学は、現在ユークリッド幾何学と言われています。しかし19世紀に入って、ロシアのロバチェフスキーとハンガリアのボリアイは、仮定の代わりに、点Pを通って直線lと交わらない直線は無数に引けるということを仮定してもまったく矛盾のない幾何学を展開しうることを示しました。これは現在、ロバチェフスキー・ボリアイの非ユーグリッド幾何学と言われています。またドイツのリーマンは、ユークリッドの仮定の代わりに、点Pを通って直線Zと交わらない直線は一本も引けないということを仮定してもまったく矛盾のない幾何学を展開しうることを示しました。これは現在リーマンの非ユークリッド幾何学と言われています。

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